王水の反応と、その応用

はじめまして、私は中学3年生です。先日、学校の選択授業課程を修了しました。その中で、「金は王水だけに溶けます。」と説明を受けたのですが、実際にはどのような反応が起きているのでしょうか。また、化学反応後の金の用途などありましたら教えてください。

ご回答

金は、溶解の方法によつて1価と3価の化合物を作ります。金を溶解する代表的な薬品は、王水(硝酸+塩酸)と、酸素の存在下でのシアン化合物(KCN)です。以下、これらの反応とその応用例についてご説明致します。

■王水■
王水は、69%HNO3(硝酸)1容と36%HCl(塩酸)3容の混合物です。金が王水に溶ける反応は、次のように考えられています。

HNO3 + 3HCl ⇒ NOCl(塩化ニトロシル) + Cl2(塩素) + 2H2O・・・・・(1)

即ち、硝酸と塩酸を混合すると、塩化ニトロシルと塩素が発生し、これが金を溶解します。

Au + NOCl+Cl2 ⇒ AuCl3(三塩化金) + NO・・・・・・・・(2)

生成した三塩化金は、溶液中の塩酸と反応して、塩化金酸となり安定します。

AuCl3 + HCl ⇒ HAuCl4(塩化金酸)・・・・・・・・(3)

全体の反応は、上記(1)、(2)、(3)の合計となり、下記のようになります。

Au + HNO3 + 4HCl ⇒ HAuCl4 + NO + 2H2O

この溶液から、4分子の結晶水の付いた塩化金酸(HAuCl4・4H2O)が析出します。ここで出来た金は3価の金です。

この塩化金酸が出発原料となって、陶磁器用装飾材料、医療用材料、特殊な医薬品等色々な用途に利用されています。最近、シアンを使わない金めっき材料として利用されている亜硫酸金ソーダも、この塩化金酸から作られます。

■シアン化合物■
金は、シアン化合物にも溶解します。

2Au + 4KCN (シアン化カリウム) + (O2、酸素) + H2O ⇒ 2KAu(CN)2(シアン化金カリウム) + 2KOH

この反応式の中にある酸素が重要で、酸素が無ければ溶解しません。ここで出来た金は、1価の金です。

シアン化金カリウムの最大の用途は、めっきです。金の特徴を生かしためっき材料として、多量に利用されています。金めっきは、指輪やネックレス等の装飾品や携帯電話、コンピュータ、人工衛星等の電子部品関係には無くてはならないものです。

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