水道水の溶存酸素量

学校の実験で、蛇口からくんですぐの水道水、汲み置き水道水、煮沸水道水の三つの資料の溶存酸素量をしらべ、それぞれの酸素飽和度を算出したところ、その値が高い順に ?汲み置き水道水95% ?くんですぐの水道水86.6% ?煮沸水道水80.9% となりました。
 
なぜ、汲み置き水道水の値が一番大きかったのか、また、常温常圧下においておくと、酸素飽和度は大体どのくらいの値になるものなのか…。どなたかご存知でしたらお教え下さい。よろしくお願いいたします。

ご回答

大気と接しているなら、時間とともに、大気と平衡になるようになります。
 
汲み置き水道水95%:汲み置き水が平衡に近い酸素飽和度になります。かき混ぜたり、通気(エアーレーション)をするなら100%になります。実際に、飽和度の検定では、通気をして行います。大気と接していても界面の抵抗は非常に大きいので、なかなか平衡にはなりにくいのです。水面に油などがあると、それこそ、拡散抵抗が大きくなります。これは、ビールをジョッキに注いでも、静かにしていれば、なかなか気が抜けないのと同じです。でも翌日は大気に逃げてしまい、おいしくなくなってしまいます。

くんですぐの水道水86.6%:平野部の水道水は、ほとんどが急速濾過処理です。急速濾過処理は不完全で、還元物質が完全には酸化されていません。臭い水の原因も、不完全な酸化処理によるものです。薬品処理でも全ての物質を完全に酸化することはできません。そこで、酸素が少なくなります。急速ろ過処理では酸化分解が不完全なので、オゾン処理などを行う浄水場もあります。それでも不完全です。しかし、生物処理が十分行われていれば、酸素不足になるようなことはほとんどありません。

山間の浄水場などでは、浄水場の位置が高いところにあり、水温が低いので、溶存する酸素(空気)が多くなっています。、そのような水が低地に給水されると、水温が高くなり、過飽和状態になる場合が多いです。

ご承知と思いますが、飽和度は、大気との平衡状態からどれだけ離れているかを示す指標です。ですから、水圧(気圧)と水温で平衡状態が異なります。

煮沸水道水80.9%:煮沸すれば、溶けている気体は大気に逃げます。煮沸を続け、そっとしておいて、大気から水の中に空気を溶けこまさないようにすれば、もっ と少なくなります。水面に油膜などがあれば、ほとんど空気は溶け込みません。
 
しかし、煮沸をした水道水を長く放置しておくと、大気から水の方に気体が溶け込み、大気と平衡状態になろうとします。完全な平衡状態は100%です。

 

水道水の生物処理について

戦前の水道水は、生物処理の緩速ろ過処理でした。生物が分解できるものは、ほぼ完全に酸化分解していました。外国航路の船が日本で船倉に水を貯水し、赤道と超えても腐らない水として有名でした。この水は、長い間、汲みおいても腐らなかったのです。つまり、生物分解するもの(AOC:Assimilable Organic Carbon生物分解可能有機物)は緩速ろ過池の砂層で微小生物や微生物により時間をかけて分解してしまったので、水道管の中で、更に腐ることがなく、水道管内で酸素が減少することがありません。また、水道管が錆びたり、水道管内に垢がたまるという事もありません。
 
緩速ろ過処理で、完全に酸化分解し、析出した化合物は、砂層上部に付着し、ほぼ完全に除去されます。ですから、水道管の中で、更に、酸化したり、析出するということはありません。山間の清水は自然の地下水脈を流れています。この水脈は閉塞することはないとの同じです。自然の土壌は、酸化物が土壌に蓄積していますが、土を深く掘ると、何もない、母岩だけになります。酸化する物質がなくなるのです。しかし、戦後、主流となった凝集剤を使う急速ろ過処理では、凝集沈澱、除去が不完全のために、水道管の中で、析出したりし、酸素を消費してしまうのです。有機物除去も不完全で、殺菌剤で細菌活性を止めることをしないと、酸素消費が多くなってしまいます。
 
今日の水道水での問題の大部分は、未完成の欠陥処理である急速ろ過処理を導入したのが原因です。自然の仕組みの上手な活用の緩速ろ過処理なら、臭い水、発ガンリスク、クリプト原虫による集団下痢などの問題は生じません。この生物処理は、維持管理も楽だし、お金もかからないので、業者の利益に結びつかないのが欠点なのです。

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